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2004年02月29日

親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る

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島 泰三 「親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る」 中公新書(2004/02)

動物、特にサルの手と口は主食によって変化するという説を主張する著者が、
これまで地球上に存在してきたサルの手と口の構造を説明し、
最後に初期人類の主食が何であったかを解き明かす大作。

まさか、人間がそんなものを食べていたとは!
と驚くこと間違いなしです。
最後まで読み進むことができれば。

何せ著者は研究者ですから、
噛み砕いた説明ながらも、論理展開の嵐です。
素人が深く考えながら読むと、
間違いなく途中で挫折してしまうでしょう。

でも、
今この世に生きているサルたちが
何を食べて生きていて、
どんな手の形をしているかを知るだけで
とても面白いと思います。
最初についている手の挿絵だけでも、
相当びっくりさせられます。

好奇心がある方になら、
間違いなくお薦めの本。

2004年02月15日

史実を歩く

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吉村 昭 「史実を歩く」 文春新書 (2004/2/9)

著者が歴史小説を書く前の、
史実に関する調査について語った本。

ここまで歩き回って事実を調べ尽くしてから
文章にする姿勢には、
正直、感心させられます。

現存する資料から
事実のみを追求し、
歴史的事件が起こった場所を
ほとんどメートル単位で明らかにして、
やっと小説中の一文にする。
本当にここまで自分の書いたものに
責任を持っている書き手はどれくらいいるのでしょうか。

歴史に興味がない方でも、
是非読んでもらいたい本です。

2004年02月11日

辞書を語る

岩波新書編集部編 「辞書を語る」(2004/2/4)
辞書についての想いを
様々な人が語った、お話集です。

言葉や辞書というものに
愛着を感じている人ならば、
語られている内容に共感を覚えたり、
新たなトリビアを発見することでしょう。


「無人島に持っていく本を一冊選んでください。」
ちょっと、無理そうです。