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斜陽

太宰 治 「斜陽」 新潮文庫(2003/11/11)
『…真の革命のためには、もっと美しい滅亡が必要なのだという悲壮な心情を、没落貴族の家庭を舞台に、最後の貴婦人である母、破滅への衝動を持ちながらも“恋と革命のため”生きようとするかず子、麻薬中毒で破滅してゆく直治、戦後に生きる己れ自身を戯画化した流行作家上原の、四人四様の滅びの姿のうちに描く。』
ということです。

皆が滅びていく姿を追う哀しさというのは、
例えばアニメ映画「蛍の光」のようなやり場の無い苛立ちや怒りであって、
受け取るほうとしては精神的にもすごく消耗するし、
そういう暗い面は受け入れたくないという人もいるのだろうけれど、
やっぱり一度は体験しておいたほうがよいのです。
変な言い方だけれど、“免疫”として。
もしくは、“鍛錬”とか“成長”のために。

興味深い点として、
いまではほとんどの人が知っていそうな単語にも注釈が入っているというのがあって、
これは出版された年によるのだと思うけれど、
なかなか面白いと思いました。
でも、これを本当に知らないで読む人がいるとしたら、
海外文学を辞書を引きながら読むのと同じになってしまう気がしますが。

最初の貴族的言葉遣いはとても上品で、
とても軽く読んでいけるのですが、
徐々に難しい話が増えてきます。
がんばってください。

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