こころ
夏目漱石 「こころ」 新潮文庫(2003/10/2)
『親友を尾ら儀って恋人を得たが、親友が自殺したために罪悪感に苦しみ、自らも死を選ぶ孤独な明治の知識人の内面を描いた作品。…夏目漱石後期三部作の終局をなす秀作である。』
ここに本のことを書き始めてから、
一番“深い”と感じたのがこの作品。
自らの欲望に添う形で物事を運んでおきながら、
後でそのことを激しく後悔する。
過去に苦渋を嘗めさせられ、
最も忌み嫌っていたはずだった生き方…。
矛盾する人間のこころが
ありありと、描かれています。
自分までとても罪深い人間だったと
思わされてしまうほどです。
こういう思いをしたことが無い人など、
世の中にいるのでしょうか。
逆に、こういう贖罪の気持ちを全く持たない人は、
個人的には、NGだと思います。
天真爛漫な人も、たまにはこういう一冊を。