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海峡の光

辻 仁成 「海峡の光」 新潮社 新潮文庫(2003/9/16)
『…廃航迫る青函連絡船の客室係を辞め、函館で刑務所看守の職を得た私の前に、あいつは現れた。…』
第116回芥川賞受賞作。

芥川賞作品にどうこう言っても。
いや、これはあくまで個人の感想なので。
主人公の心の動きのようなものが、手にとるように分かるのは、
やはり優れた文学作品だからなのでしょうか。
仮面をかぶった花井を檻の外から見守る主人公は、
優越感に浸れるはずが、なぜか恐れを抱いてしまう…。
どこか共感できるような気がします。

それにしても、名作には鬱屈した雰囲気が付き物です。

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